西京焼きの特徴的な味わい

西京焼きとは?

京都の代表的な白味噌に「西京味噌」と呼ばれる味噌があります。西京味噌は、米麹を多く使った甘味のある白味噌です。

この西京味噌にみりんや酒などを加えた漬け床に、魚や肉などを漬け込んで焼いたもののことを「西京焼き」と言います。

甘辛さだけでなく、麹の上品な香りなども楽しめるのが西京焼きの魅力です。「西京焼き」ならではの独特の風味は、食材を味噌漬けにすることによって生まれるアミノ酸の増加が影響していると言われています。

漬け込む素材や西京味噌の成分によっても変わってきますが、西京焼きは、グルタミンやグリシン、ロイシン、アスパラギン、アルギニンといったアミノ酸、いわゆる「うまみ成分」とよばれるものがたっぷり含まれた状態になっているので、ただ魚や肉を焼くだけでは味わえない味の複雑で豊かな味わいをたのしめるというわけです。

そのため、西京焼きは、一般家庭だけでなく料亭などでも出されています。

西京焼きの特徴

西京焼きとよく似た料理に、味噌漬けや粕漬けなどがあります。どちらも西京焼きと同様に、漬け床に材料を漬け込んだものを焼いて食します。

西京焼きが「西京味噌」と呼ばれる味噌に漬け込んで作ることを考えれば、西京焼きも味噌漬けの仲間であると言えますが、一般的な味噌漬けは田舎味噌などの茶色い味噌を使用するため、見た目が茶色っぽい色味になるものが多いです。

西京焼きは色の白い西京味噌を使用しますから、見た目が白っぽく、上品なイメージです。見た目の色味でいえば、酒粕を使用する粕漬けは見た目が白っぽいため、西京焼き同様に上品なイメージです。

しかし、粕漬けの場合は酒粕特有の酒の風味が強いです。そのため、好みによりますが、西京焼きの方がマイルドな甘味で万人受けすることが多いようです。

西京焼きだけでなく、味噌漬け、粕漬け全てに言えることですが、これらの料理は漬け込む素材によっても味わいがかなり変わってきます。

西京焼きの場合、よく使われる魚はメロなどと呼ばれる「銀むつ」や「銀鱈」といった種類ですが、金目鯛やシャケなどが使用されることもあります。